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果樹の害虫:発生早期化・長期化の傾向
2026年2月18日付日本農業新聞掲載
2025年はここ数年と同様に春や秋の気温が高く推移し、害虫の発生が早期化するとともに長期間続く条件となった。また、地域により果樹カメムシ類の多発も重なり、害虫による被害が生じやすい年であった。今後も春や秋の気温上昇による害虫発生の早期化や長期化、また果樹カメムシ類の多発が予測され、次年度以降も果樹害虫に対する注意が必要と考えられる。果樹害虫の発生などについては各県から予察情報や注意報、技術情報という形で発表されるので、これらの情報を基に防除対策を立てる。以下、今年各地で問題となった果樹共通害虫について概略を述べたい。
カメムシ類
25年は地域により果樹カメムシ類の発生状況が大きく異なり、北海道から東北地方、また東海地方などで多発し注意報が発表されたが、それ以外の多くの地域では問題になるほどの多発は認められなかった。ただ、スギ・ヒノキ球果が多く結実し、夏場以降果樹カメムシ類が多くなった地域もある。
次年度以降も果樹カメムシ類の発生状況が地域により大きく異なる可能性があることから注意する必要がある。果樹カメムシ類防除の基本は早期発見、早期防除であることから、各県から発表される予察情報や注意報などの情報に注意するとともに、日ごろから果樹園内をこまめに見て回り、必要に応じて飛来初期から地域で一斉防除する。
果樹カメムシ類の防除剤としては、残効の長い合成ピレスロイド剤やネオニコチノイド剤が有効であるが、これら薬剤は天敵類に影響があり、防除後にハダニ類やカイガラムシ類の増加を引き起こすことがあるので注意が必要である。


チュウゴクアミガサハゴロモ
25年はチュウゴクアミガサハゴロモの果樹における発生報告が多くなり、24年も含めると特殊報が27都府県、防除技術などの情報が5県から発表され、関東地方から九州の広い地域で果樹などへの加害が認められるようになった。
チュウゴクアミガサハゴロモは、細い枝の中に一列に卵を産卵し、卵の上部を白い綿上の物質で覆う。また、幼虫や成虫は植物を吸汁加害し、甘い排泄物を排出すると考えられる。産卵された枝の損傷や排泄物による被害は今のところ大きな問題になっていないが、今後注意が必要と思われる。
本種に対する薬剤はまだ登録されていないことから、産卵が多く認められた場合、冬季の剪定時に、産卵が認められた枝を除去し、初期密度を下げるなどの対策が有効と考えられる。


病害虫や雑草に関する最新の情報を知りたい場合は、各都道府県の病害虫防除所などにお問い合わせください。
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