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野菜の害虫:チョウ目、微小害虫 警戒を

更新日: 2026/02/18
執筆者 農研機構 植物防疫研究部門 作物病害虫防除研究領域 生物的病害虫防除グループ グループ長補佐 村上理都子
2026年2月18日付日本農業新聞掲載

 2025年の夏も記録的な高温が続いた。11月に入って急に気温が下がり、秋が短く感じられるが、秋以降の平均気温も平年並みか高い日が続いた。病害虫発生予察注意報においても24年に引き続き多くの注意報が出された。特に露路栽培におけるハスモンヨトウ、オオタバコガ、シロイチモジヨトウなどの大型のチョウ目害虫によるものが目立つ。また、施設栽培においてはアザミウマ類やコナジラミ類、ハダニ類、アブラムシ類などの微小害虫の発生が問題となっている。

露地野菜における大型チョウ目害虫

 露地栽培におけるアブラナ科野菜、サツマイモ、大豆、トウモロコシ、ネギなどの作物において、ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウ、オオタバコガなどの大型のチョウ目害虫による被害が多く報告されている。
 これらは幼虫期における被害が主であり、齢が進むほど被害が大きくなる。また、齢が進むほど薬剤による効果が落ちることから、若齢の間に対処した方がよく、播種、育苗、定植期における薬剤のかん注処理や粒剤の施用が効果的である。用いる化学農薬は、害虫の殺虫剤抵抗性を高めないように、作用が異なる農薬をローテーション施用する。
 害虫の薬剤抵抗性の程度は農作物や地域により異なることがあるため、地元の病害虫防除所などの情報を得るとともに農薬の登録や失効情報については農林水産消費安全技術センターのホームページなどを確認してほしい。また化学農薬の利用だけでなく、フェロモン剤や防虫ネットや光反射シート、黄色照明灯などの物理的防除資材の利用も検討していただきたい。


ハスモンヨトウ幼虫(左)とヒラズハナアザミウマ


施設野菜における微小害虫

 施設栽培は外敵が少なく、外気の影響を受けにくく、餌となる作物が常にある状態にあるため、微小害虫が発生する可能性は年中ある。また、微小害虫は葉裏で発生することが多いこと、体のサイズが小さいことから発見が遅れやすく、見つけた時には大発生していることがある。防除対策としては、害虫を施設内に持ち込まないことが重要であり、害虫が付着していない苗の入手を心がけるとともに、苗の定植後の管理も重要である。
 そのためには定期的な殺虫剤の散布を行う必要がある。微小害虫は世代交代が早く、薬剤感受性の低下を招きやすいことから、連続した世代への殺虫剤の同一系統の連用を避け、大発生する前に対処することが大事である。また、施設への害虫の侵入を防ぐために、開口部に防虫ネットの展張し、施設の出入り口は害虫が侵入しやすいことから、小まめに閉めるようにする。
 また、光反射シートや紫外線カットフィルムの利用といった光を利用した技術も利用してほしい。
 最後に、施設内の雑草や作物の残さ上に害虫が増殖して発生源となっていることが多々あるので、施設内の雑草や残さの処理を行うとともに、施設外に除草シートを敷くなどの施設外の雑草管理も重要である。

カンザワハダニ(左)とモモアカアブラムシ



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