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新規殺虫成分「ジクロロメゾチアズ」 薬剤抵抗性コナガに卓効

更新日: 2026/02/18
執筆者 JA全農 耕種資材部農薬原体・開発課
2026年2月18日付日本農業新聞掲載

 ジクロロメゾチアズは、JA全農が国内開発の権利を取得し、単独で開発を進めてきた新しい園芸用殺虫成分である。本成分の作用性は新規であり、チョウ目害虫やキスジノミハムシなどに対して高い防除効果を示す。本成分を含む製品としては「フィールドマスト® ※1フロアブル」と「フェニックスマスト® ※2フロアブル」が登録を取得している。

「フィールドマスト® ※1フロアブル」(右)と「フェニックスマスト® ※2フロアブル」(左)が登録を取得している。
※1 JA全農の登録商標 ※2 日本農薬の登録商標

新規の作用性

 ジクロロメゾチアズは、害虫の神経細胞に存在するニコチン性アセチルコリン受容体に作用し、速やかに麻痺症状を引き起こす。園芸用殺虫成分としては、新規の作用性(殺虫剤分類:4E)であり、既存殺虫成分への感受性が低下したコナガなどに対しても高い効果を示す。

ローテーション防除での活用

 ジクロロメゾチアズはコナガやハイマダラノメイガ、ハスモンヨトウなどのチョウ目害虫や、キスジノミハムシに高い効果を示す。特に薬剤抵抗性が問題となっているコナガや、作物の深刻な品質低下を引き起こすキスジノミハムシのような害虫は、ローテーション防除が不可欠である。ジクロロメゾチアズは園芸用殺虫成分で唯一の作用性を持つため、こうした防除体系にも組み込みやすい。

作物や有用昆虫への高い安全性

 「フィールドマスト®フロアブル」の新農薬実用化試験では、作物への薬害が確認されておらず、安全性が高いことが示されている。また、ミツバチなどの有用昆虫への影響もほとんど認められていない。

混合剤で幅広い防除が可能

 「フェニックスマスト🄬フロアブル」は、ジクロロメゾチアズとフルベンジアミドを組み合わせた製品である。フルベンジアミドはオオタバコガやウワバ類に高い効果を示す成分であり、両成分を混合することで、適用害虫の幅が広がる。これにより、チョウ目害虫に対する防除の選択肢が増えることが期待される。

 近年、気温上昇に伴ってチョウ目害虫の発生が増加しており、今後も警戒が必要だ。こうした害虫に卓効を示すジクロロメゾチアズは、園芸現場の防除体系において重要な役割を果たすことが期待される。

 登録内容や使用方法については、URLまたは下記お問い合わせ先まで。

▶クミアイ化学工業株式会社:電話03(3822)5036
▶日本農薬株式会社:電話0570(09)1177

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