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[農家の特報班]イネカメムシ急拡大 注意報2倍、発生5都県増

更新日: 2025/05/08
2025年5月8日付日本農業新聞掲載

 1970年代以降ほとんど確認されていなかった水稲の害虫・イネカメムシの被害が急拡大していることが、日本農業新聞「農家の特報班」の調査で分かった。2024年に発生予察注意報を発表したのは18府県で前年比2倍。24年の発生地域は同5都県増えた。気象庁によると、今夏も全国的に気温が高くなる見込みで、各地域は被害拡大を警戒し、防除時期の共有や啓発に取り組んでいる。

2024年にイネカメムシの発生を確認した都府県

 24年に南東北~九州の37都府県で発生を確認したという農水省の発表に基づき、特報班は発生時期や注意報について病害虫防除所などに取材した。
 発生予察注意報でイネカメムシについて言及したのは18府県で、前年比9府県増。ほとんどが斑点米カメムシ類の注意報の中で言及するが、愛知、鳥取はイネカメムシに特筆して注意報を発表した。
 関東の米どころ、茨城では不稔(ふねん)が相次ぎ発生。他の斑点米カメムシと防除時期が異なるため、「ホームページで薬剤防除の徹底を促している」(病害虫防除部)と説明した。
 埼玉は県随一の米産地である加須市を中心に甚大な被害を受けた。県は7日、100ヘクタール以上の広域防除を実施するJAや農業法人などに対し、上限50万円を補助する「イネカメムシ広域防除緊急対策事業」を新設したと発表した。
 23年に災害級の被害を受けたという鳥取県は、24年に初めて注意報を出した。「不稔の被害が爆発的に拡大した」(西部農業改良普及所)と突然の被害増を語った。
 過去10年間で確認されていなかったが、24年に新たに発生を確認したのは東京、群馬、山梨、石川、福井の5都県。北陸での発生はこれまでなかったが、米どころの2県で発生した。

今夏気温高く「警戒強めて」

 気象庁によると今夏も全国的に気温が高くなる見通し。農水省は「気温が高いとイネカメムシの増殖が盛んになる可能性がある。発生地域に隣接する地域は、特に警戒を強めてほしい」(消費・安全局植物防疫課)と注意を促す。

石原邦子、高内杏奈

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