病害虫メモ

クビアカツヤカミキリ

更新日: 2024/05/01
クビアカツヤカミキリの雌成虫
桃の被害樹と株元に堆積したフラス
名前クビアカツヤカミキリ
分布群馬、栃木、茨城、埼玉、東京、神奈川、愛知、三重、大阪、奈良、和歌山、兵庫、徳島
対象作物梅、桃、桜などサクラ亜科樹木
防除方法伐倒駆除の他は、樹内の幼虫や脱出成虫への薬剤施用を主とする
効果のある薬剤モスピラン顆粒水溶剤
その他2011年に侵入が確認された外来種。早期発見早期駆除が肝要

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執筆者 栃木県農業試験場 病理昆虫研究室(虫害担当) 主任研究員 春山直人

発生動向

クビアカツヤカミキリは、桃、スモモ、梅などの果樹やサクラ類に寄生し、幼虫が樹皮を食害することで樹木を衰弱、枯死に至らしめる。2024年までに13都府県で発生が確認されている。

成虫の防除

春から夏にかけて気温が高かった23年は、成虫の発生は5月末からで例年より2週間程度早かった。成虫に対しては一般に薬剤の残効期間が短いので、発生の多い時期に定期的な薬剤配布で密度低減を図る。成虫は夜や早朝には樹冠にいるので、薬剤は幹だけでなく樹全体に散布する。成虫は傷んだ果実に誘引されるので、園地から持ち出して処分する。

卵の確認

雌成虫は桃や梅などの寄生植物の樹皮の隙間に2mm程度の淡黄色の卵を産み付ける。卵は紫外線を当てると蛍光を放つので、園内や近隣で成虫がみられるなど産卵の疑いがある場合には、夕方や夜間にブラックライトで枝幹を照らして見回る。青白くする卵が見られたら、剪定(せんてい)ばさみや金属ブラシなど固いものを使い、つぶすか削り取るなどして除去する。卵は12日程度でふ化するので調査期間に注意する。またブラックライトを長時間使用する場合、紫外線カットゴーグルで目を保護する。

被害樹の対策

最も重要な被害防止対策は、園内の発生源となる被害樹の対策である。
幼虫は排ふん口からオレンジ色のフラス(ふんと木くずの混合物)を出すので、普段から観察して早期発見に努める。被害が見られたら、坑道内の幼虫を掘り取り駆除するか、坑道内に針金などを差し込み刺殺する。スプレー式殺虫剤は、坑道内のフラスをかき出してから噴射する。
被害樹のうち、新梢(しんしょう)が伸びないもの、フラスの量の多いもの主幹部の樹皮が広範囲に浮くか剝がれているものは、樹勢の維持・回復は難しい。発生源となるため伐採し、粉砕や焼却、薬剤くん蒸により適切に処分する。

2月23日(日)
近くで所により雨
5.5℃
0.9℃
時間 0-6 6-12 12-18 18-24
降水 0% 100% 100% 100%
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