よみもの
茶の害虫:薬剤抵抗性の発達に注意
2026年2月18日付日本農業新聞掲載
常緑の永年性作物である茶は、多肥下で栽培されるため、寄生している昆虫類にとって茶葉は、栄養の豊かな良い餌となっている。また年3~4回の摘採(てきさい)は、食べやすい新芽を次々に提供することになるので、こうした点も虫たちに良い餌場を提供することにつながっている。全国の茶園で被害が大きく問題になっている害虫種は、10数種ほどであり、現在は主に農薬の使用を基幹とした防除が行われている。ここでは、近年多発する茶害虫とその防除のポイントを紹介する。
カンザワハダニ
本種は、全国各地に分布し、葉裏に寄生し、吸汁加害する。茶新葉が加害されると、葉の黄化や褐変、巻葉などを生じ、時に落葉する。茶園全体の密度が高いと、収量減に加えて水色が赤くなるなど製茶品質を著しく悪化させる。
世代時間が短く、年間世代数は10回程度である。茶園では、春から初夏にかけて発生ピークとなり、夏季に減少した後に再び秋に増加する二山型のパターンとなる地域が多い。防除適期は、越冬後の一番茶萌芽前、一番茶摘採後、秋芽生育期、越冬前などである。各種殺ダニ剤が有効であるが、抵抗性が発達しやすいため、同一系統の剤の連用を避け、薬液が葉裏に十分に届くよう10アール当たり400リットル相当量を丁寧に散布する。

ヨモギエダシャク
ヨモギエダシャクは、本州以南、屋久島以北に分布する。幼虫は典型的なシャクトリムシで、成長すると体長60ミリを超え、体色は淡緑色ないし暗褐色で個体変異が大きい。ふ化直後の幼虫は若葉を好み、葉の裏面から葉肉だけを点状に食害するが、少し成長すると小孔を開けるように加害する。さらに成長した幼虫は若葉、古葉の区別なく葉縁から蚕食し、多発した場合は茶株が枝条だけとなる。
年3~4回発生し、成虫は5~9月に出現する。前世代成虫の発蛾最盛期から約10日後を防除適期とし、各種農薬散布による防除が行われているが、夏季以降の世代は継続的に発生が続くので、若齢幼虫による新葉への加害(点状の食害痕)に注意して防除の要否を判断すると良い。

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