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茶の病害:発生少ない傾向も地域差
2026年2月18日付日本農業新聞掲載
2025年は降雨が少なく、炭疽(たんそ)病を始めとする病害の発生は少ない傾向であった。しかし、高温で発生が増加するとされる輪斑病は平年よりも発生が多くなった地域があった。近年は気象の年次変動が大きく、そのために茶の病害の発生状況も年によって大きく異なることが多くなっている。防除暦をベースとしつつ、天候や茶園の状況に合わせた防除を行うことが重要である。ここでは主要病害の発生生態と防除対策について解説する。
炭疽病
全国的に広く発生が見られる茶の最重要病害である。開葉直後の若い葉に感染し、3~4週間の潜伏期間を経て大型壊死病斑を形成する。防除は各茶期の開葉期に行う。摘採しない茶期や多発が予想されるときは1~2週間後にもう一度防除が必要である。
防除薬剤の多くは保護剤で、病原菌の侵入前に散布する必要があるため、散布が遅れないようにする。DMI剤は侵入後の病原菌への作用が強いため、遅めの散布が効果的である。

輪斑病
摘採・整枝による傷口から病斑が広がって、葉では同心円状の輪紋がある大型病斑、茎では黒褐色の壊死病斑を形成する。
防除は摘採・整枝の直後に行う。薬剤散布が早いほど防除効果も高くなる。摘採直後に防除ができないときは浅く整枝して病原菌の侵入部分を刈り落としてから薬剤を散布する。
新梢枯死症
輪斑病の症状の一つで、新梢(しんしょう)基部の包葉離脱痕(こん)などに病斑が形成されることで上部への水分供給が絶たれて芽全体が青枯れ状態となる。防除適期は炭疽病と同じであるが、炭疽病に対してよく用いられるDMI剤の多くは効果がないため、薬剤の選択に注意する。
赤焼病
細菌による病害で、寒冷期に発生して越冬葉や枝条に円形~不定形の壊死病斑を形成する。特に幼木で発生が多い。秋季から発生し始め、春季に気温の上昇とともに急激に増加する。罹病(りびょう)葉は激しく落葉し、一番茶の減収を引き起こす。
防除時期は晩秋季および早春季とされているが、発生消長が年によって大きく異なるため、初発を確認したらすぐに防除を行う。

病害虫や雑草に関する最新の情報を知りたい場合は、各都道府県の病害虫防除所などにお問い合わせください。
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